僕とあぐー 第1章
Special Thanks:@zo0mani
第1章
その男、"あぐー"
小学校中学校と厳しいサッカーの練習に耐え抜いてきた僕は、「高校生こそ夢のキラキラ部活動生活♪」なんて思うはずもなく。もうサッカーは懲り懲りだ、いやサッカーどころかスポーツすら当分はやりたくない、だからといって文化系の部も充実しているわけではない、こうして帰宅部そんぐんの高校生活が始まった。
とはいえ、たかが高校生。大学生や社会人ほど見た目やその他装飾パラメータ(何部だの頭がいいだの家が金持ちだの一人暮らしだの彼女持ち彼氏持ちだの)を気にせずにみんなが仲良くなっていった。その中でも僕のクラスの男子は全員が全員仲が良かったなあと今でも思う。要するにクラスに恵まれていた。
さてさて、君たちは新天地で友達が出来ていろいろ話せるようになったら一体何を話す?
僕は単純も単純、というか大方の予想通りの、スマブラ強いぜ自慢だ。地元最強自慢だ。俺が一番強いよと豪語した。こんな小さなことが後に僕をスマブラ界隈に誘うとは露知らず。
一番とまでは言わずとも、俺もスマブラ強いよと言った友達は総勢10人。自分の最強を証明したい僕は、普段あまり開放しない我が家を開放し、何とも狭い空間に10人を招き入れ、スマブラXのトーナメント機能を利用し、クラス最強を決めるトーナメントを開始する。
下馬評通り、僕は着実に勝ち上がり決勝へ駒を進める。それなりに強かったがまあ勝てるだろうという2人に勝利した。もう少しで最強を証明出来るなと思い、少し鼻が高いな、あんまり自慢げにならないようにしよう、と優勝したときのリアクションまで考え始める始末。
しかし、結論から書くとMr.Game&Watch使いの僕は決勝戦で敗退するのだ。敗退。敗北。もちろんダブルイリミネーションなんかではないシングルイリミネーションでの敗退は、すなわち僕のトーナメントの終了を表す。同時に、決勝戦が終わるということは、優勝者が決定したことを意味している。
何を隠そう、その優勝者こそが、スネーク使いのあぐーその人だったのである。